TOEICを勉強し始めた当初、TOEIC文法1000という本が良いと書いてあるサイトを読み、それを信じて必死に勉強しました。しかし、残念ながら成果は上がりませんでした。今となればわかりますが、問われた熟語や単語、文法などはTOEICでは問われない内容でした。
TOEICでは冠詞が問われない、難しい熟語は問われないなど傾向があります。
今回は僕が50を超えるTOEICの問題集を解いた経験から、TOEIC向けの頻出の問題集・参考書を紹介します。評判が良くてもダメな問題集・参考書も書きます。ダメな理由も書きます。TOEIC 600点以下向けの問題集・参考書は↓を見てください。
1. TOEIC頻出の問題集とTOEICに出ない問題集の違い
TOEICに頻出の問題集と悪い問題集の簡単な見分け方を教えておきます。
はっきり言うと著者の違いです。
良いTOEICの問題集を作っている著者は、TOEICを何度も何度も受けています。そしてTOEIC受験後にその内容をしっかりメモして、その内容を積み重ねて問題集を作っています。
信頼できる著者の1人TEX加藤さんはTOEICを毎回受験し、毎回受験後にTOEICの内容をメモされています。(TEX加藤さんのサイト参考)ダメなTOEIC問題集を書かれている著者は、TOEICを1度2度受けて、「大体こんな問題出るんだろう」という推測のもと問題集を作られています。
(大体、ご年配の大学教授の場合が多いです。偏見だったらすみません。)
残念ながらダメな問題集は著者のTOEICに対する理解が甘く、明らかにTOEICに出ない単語や表現が含まれています。
TOEIC対策の専門家の方が書かれている問題集は明らかに出来が違います。専門家かどうかを見極めて問題集を購入されるのが良いです。
他の方と気合が違います。
問題集を使っての具体的な勉強スケジュールについては下記を参考にしてください。TOEIC 800点を取るためにどういう勉強が必要かがわかります。
2. TOEICに頻出の問題集
2-1. TOEIC L&Rテスト精選模試 総合
指標 | 評価 |
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既出度 | |
解説のわかりやすさ | |
ナレーターの質 | |
収録問題数 | 400問 |
値段 | 1980円(税込み) |
対象レベル | 600点~900点 |
確かにPart 2, Part 7については以前より難化しており、公式問題集よりも難しいと思うことが多いです。
Amazonのレビューでは、この本はTOEIC本番より難しいと書かれている方もいますが、それは間違っています。この本はTOEICの現状を上手く再現出来ていると思います。
TOEICのベストセラーである金フレの著者であるTEX加藤さんも銀フレという本の中で精選模試を推薦されています。(銀フレ参照)
公式問題集よりもこの本がTOEICの現状を上手く再現できているかの理由は下記を見てください。
https://eigo-koryaku.com/?p=890
2.2 TOEIC(R) L&Rテスト 究極の模試600問+
指標 | 評価 |
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既出度 | |
解説のわかりやすさ | |
ナレーターの質 | |
収録問題数 | 600問 |
値段 | 3300円(税込み) |
対象レベル | 400点~900点 |
2020年3月に発売された志向の模試の後継の模擬問題集です。ヒロ前田さんはTOEICを毎回受けられて、必要な問題のみ抜粋されています。どこに引っかかりやすいかなども丁寧に説明されています。
TOEIC 600未満の方であれば、解説が丁寧なこちらの問題集がおすすめです。
1問ごとの解説をiPhoneなどで動画で見ることもできるので講義形式で解説を聞きたい方に良いです。
通常の3300円版ではなく、200問ごとにわかれている版であればKindle unlimited会員であれば、この本は無料でダウンロードできます。
音声DL、解説の動画も本と同じように見れます。
よく売れているTOEIC本の1つだったので、無料で読めるようになるとは正直驚きでした。コラムが充実しているので、コラムを読むだけでも価値はあるかと思います。
2-3. 公式 TOEIC Listening & Reading 問題集
指標 | 評価 |
---|---|
既出度 | |
解説のわかりやすさ | |
ナレーターの質 | |
収録問題数 | 400問 |
値段 | 3300円(税込み) |
対象レベル | 600点~800点 |
ナレーターは年々変わるため、最新の公式問題集で勉強するのがおすすめです。
過去の公式問題集を解いた感想としては、難しい時があったり、簡単な時があったりと意外とレベルが一定ではないです。公式問題集はTOEICの本番前に解くことが多いと思いますが、経験上、出来はあまり気にしないほうがよいです。
2-4. ETS TOEICの定期試験既出問題集
指標 | 評価 |
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既出度 | |
解説のわかりやすさ | |
ナレーターの質 | |
収録問題数 | 500問 ※リーディング、リスニング共に |
値段 | 2500円前後 ※2019/10現在 |
対象レベル | 700点~900点 |
ただし、解説は全て韓国語のため、解説がなくても内容が理解できるレベル(700点超?)の方が使うのに良いでしょう。
2-5. TOEIC TEST サラリーマン特急 新形式リスニング
指標 | 評価 |
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既出度 | |
解説のわかりやすさ | |
ナレーターの質 | |
収録問題数 | 93問 |
値段 | 821円(税込み) |
対象レベル | 500点~700点 |
リスニングはナレーターの話すスピードが以前よりも早くなり、以前よりも難しくなっています。この本は2016年末に発売されたのでまだまだ新しく、最近の傾向に沿って問題集が作られています。
スタンダードな問題からひねった問題まで収録されており、リスニングが不得意な初心者から上級者の方までしっかり勉強できます。
この方は新TOEIC TEST サラリーマン特急 満点リスニングという本も出されているのですが、リスニングを勉強する際の音声の聞き方を丁寧に解説されております。
「どうやったらリスニング点数上がるんだよ!!」って思っている受験者の方は多いと思いますが、満点リスニングには目から鱗な話がたくさん書かれているのでオススメです。
2-6. 新TOEICテスト 文法問題 でる1000問
指標 | 評価 |
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既出度 | |
解説のわかりやすさ | |
ナレーターの質 | - (リスニング問題なし) |
収録問題数 | 1049問 |
値段 | 2530円(税込み) |
対象レベル | 600点~900点 |
この本を含む頻出の文法問題集はこちらにまとめています。もちろんこちらの本についても詳細に記載しています。
3. TOEIC頻出ではない問題集
3-1. TOEICテスト文法1000
冒頭に上げた本です。当時TOEIC 500点付近。何もわからずに買いましたが、買ったのは失敗でした。
TOEICの文法問題Part 5,6は時制や冠詞がほとんど出ないとか傾向がありますが、その傾向を無視して問題が作られています。
この問題集には細かすぎる時制の問題やTOEICに出ない単語(pachinkoなんて出ません!)が書かれています。
TOEICのPart5 ,6にどのような問題が出やすいか、傾向について下記に書いています↓
3-2. イ・イクフン 解きまくれシリーズ
解きまくれ!シリーズは全部(Part1 2, Part3 4, Part5 6, Part7)買って、全て解きましたが、結果として僕以外の方はもう解かなくて良いかなと思っています。
ポイントで言うと主に3つあります。
- TOEICに出てくる問題より難しい
- リスニングの音声が早い。訛があって聞き取りにくい
- 古い(刊行は12年前)
TOEICよりも難しいですし、そしてその問題はTOEICには出てきません。英語の勉強には良いかもしれませんが、TOEIC対策としては良くないです。(難しい問題が良いなら、TOEIC難問用の対策本を買ったほうが良いです。)
また、リスニングの音声も全体的に早く、特に男性の声がボソボソっと話されており、聞き取りにくいです。何の訛かわかりませんが、訛もあります。公式問題集に出てくる方のオーストラリア訛とかは納得できますが、どの国の方が話されているかわからない訛は勉強になりません。
そして、いちばん大事な点ですが、イ・イクフンさんは実は2008年に亡くなられております。書かれたのは確実に15年以上前。TOEICは年々出る問題が少しずつ変わっています。最初に書いたTOEICに出ない難しい問題が書かれているというのは、つまり本が古くなっているということです。
3-3. 総合英語Forest(7th Edition)解いてトレーニング
TOEICの対策本としてこの本を書かれている方を時々見るので、挙げておきました。
この本は英語の勉強と考えれば良いです。でも、TOEIC対策としては止めてください。英検やTOEFLと違い、TOEICには難しい文法問題は出てこないからです。
TOEICを受験するならTOEIC専門の問題集で勉強しましょう。
東大を受けるのであれば、京大の赤本では勉強しない。当たり前です。
「英語=TOEIC」と思ってDuo 3.0で勉強したり、TOEFLの問題集で勉強したりする人がいます。断言しますが、その勉強はTOEICの点数には直結しないのでTOEICの高得点を取りたいのであれば止めるべきです。
4.まとめ
いわゆるTOEIC対策本の中でも、選りすぐりの信頼できる問題集・参考書を紹介しました。
「TOEICの高得点者でも英語を話せない人がいる」などの批判は以前からよく聞きますが、就職、転職それ以外でも実際は「TOEIC=英語能力」と思われています。
「TOEICの点をどうしても上げたい!」という方であれば、是非書いた内容を参考にしてもらえると嬉しいです。
TOEIC 860点を超えた辺りから世間の目は大きく変わってきます。僕自身の体験も書いているので良かったら見て下さい。全部僕が体験した事実です。
新しい自分の武器を持つために是非頑張ってください。
コメント
英語初心者でなければ、問題集を使って数をこなすことが点数UPの近道であることは間違いないと思います。
韓国ETSの公式問題集・・・すごく気になります笑
>あごながおじさん
問題集をやって問題に慣れて、かつどんな問題が出やすいかを覚えるのが一番効率的ですよね。
「公式 TOEIC Listening & Reading 問題集 1」と韓国ETSの公式問題集(300問~499問まで)は同じでした。なので韓国ETSの公式問題集を買う意味はかなり減りましたね。