2021年10月に「TOEIC 公式TOEIC Listening & Reading 問題集 8」が発売されました。
TOEIC公式問題集は計9冊あります。どの公式問題集を買うのが最も良いのかそれとも全部同じなのかという点について解説します。
また僕が実践しているおすすめの勉強法についても解説します。
1.TOEIC 公式問題集 それぞれの違いと最も良い問題集について
2016年にTOEIC が新形式となり、新形式に対応した公式問題集は2022年現在、9冊発売されています。
最新は2021年9月に発売された「公式TOEIC Listening & Reading 問題集 8」です。公式問題集1の発売前に「TOEICテスト公式問題集 新形式問題対応編」と呼ばれる公式問題集が発売されていたので計9冊です。
今から公式問題集を買う場合に最も良い公式問題集は、
「公式TOEIC Listening & Reading 問題集 7」
もしくは
「公式TOEIC Listening & Reading 問題集 8」
詳細は下記に書きます。
1.1 ナレーターの違いについて
TOEICには「アメリカ女性」「カナダ男性」「イギリス女性」「オーストラリア男性」の4名のナレーターがいます。ナレーターは時々変わるのですが、国と性別は固定です。
公式問題集のナレーターはTOEIC公開テストと同じです。これは市販の問題集で唯一です。
国別の発音の違いもありますが、ナレーターの癖もあります。TOEIC公開テストに出る方と同じナレーターの声で勉強するのが最も効率的に勉強できます。
僕が調べたTOEICの公式問題集ごとのナレーターを記載します。
アメリカ女性 | カナダ男性 | イギリス女性 | オーストラリア男性 | |
---|---|---|---|---|
公式問題集8 Part1 | A(おばさん 落ち着いた声) | A(落ち着いた声 ききやすい) | B(やさしい声 高めの声) | C(しゃがれ。ききにくい) |
公式問題集8 Part2 | A(おばさん 落ち着いた声) | A(落ち着いた声 ききやすい) | B(やさしい声 高めの声) | C(しゃがれ。ききにくい) |
公式問題集7 Part1 | A(おばさん 落ち着いた声) | A(落ち着いた声 ききやすい) | B(やさしい声 高めの声) | C(しゃがれ。ききにくい) |
公式問題集7 Part2 | A(おばさん 落ち着いた声) | A(落ち着いた声 ききやすい) | B(やさしい声 高めの声) | C(しゃがれ。ききにくい) |
公式問題集6 Part1 | A(おばさん 落ち着いた声) | A(落ち着いた声 ききやすい) | B(やさしい声 高めの声) | D(声が低い、紳士) |
公式問題集6 Part2 | A(おばさん 落ち着いた声) | A(落ち着いた声 ききやすい) | B(やさしい声 高めの声) | D(声が低い、紳士) |
公式問題集5 Part1 | B(おばさん 聞きやすい声) | B(しゃがれ。でも聞き取りやすい) | B(やさしい声 高めの声) A(くせの強いおばさん) | C(しゃがれ。ききにくい) |
公式問題集5 Part2 | A(おばさん 落ち着いた声) | A(落ち着いた声 ききやすい) | A(くせの強いおばさん) | C(しゃがれ。ききにくい) |
公式問題集4 Part1 | A(おばさん 落ち着いた声) | A(落ち着いた声 ききやすい) | A(くせの強いおばさん) | C(しゃがれ。ききにくい) |
公式問題集4 Part2 | A(おばさん 落ち着いた声) | A(落ち着いた声 ききやすい) | A(くせの強いおばさん) | C(しゃがれ。ききにくい) |
公式問題集3 Part1 | A(おばさん 落ち着いた声) | A(落ち着いた声 ききやすい) | A(くせの強いおばさん) | B(やさしい声。聞きやすい) |
公式問題集3 Part2 | A(おばさん 落ち着いた声) | A(落ち着いた声 ききやすい) | A(くせの強いおばさん) | B(やさしい声。聞きやすい) |
公式問題集2 Part1 | A(おばさん 落ち着いた声) | A(落ち着いた声 ききやすい) | A(くせの強いおばさん) | B(やさしい声。聞きやすい) |
公式問題集2 Part2 | A(おばさん 落ち着いた声) | A(落ち着いた声 ききやすい) | A(くせの強いおばさん) | B(やさしい声。聞きやすい) |
公式問題集1 | 持っていないため割愛 | 持っていないため割愛 | 持っていないため割愛 | 持っていないため割愛 |
公式問題集 新形式対応編 Part1 | A(おばさん 落ち着いた声) | A(落ち着いた声 ききやすい) | A(くせの強いおばさん) | B(やさしい声。聞きやすい) |
公式問題集 新形式対応編 Part2 | C(若い声) | A(落ち着いた声 ききやすい) | A(くせの強いおばさん) | B(やさしい声。聞きやすい) |
イギリス人女性A(くせの強いおばさん)は公式問題集6以降は出てきません。世代交代したようです。TOEIC公開テストでも一部のリサイクル問題しか出てきませんので癖が強い割に出題率は低いです。この方で勉強するのは理にかなっていません。
オーストラリア人は頻繁に変わっていますが、最近はC(しゃがれ。聞き取りにくい)が主流です。
今の主流から考えるとイギリス人女性B(若い。高めの声。)とオーストラリア人男性C(しゃがれ。聞き取りにくい)で勉強するのが最も良いです。
上記から考えると「公式TOEIC Listening & Reading 問題集 7」 「公式TOEIC Listening & Reading 問題集 8」がオススメということになります。
1.2 TOEICの問題の難化について
TOEICの問題は年々難化しています。
20年ほど前のTOEICではPart2で「Did you ~ ?」から始まる問題文で「Yes, I did」と答える問題が存在したなど、今では考えられないほどシンプルな問題で構成されていました。
私が2022年になってから2017年発刊の「TOEIC 公式TOEIC Listening & Reading 問題集 2」を解いてみたのですが、Reading 100問に5分ほど時間が余りました。
TOEIC 公開テストを受けるとReadingに時間があまることはほとんどありません。「TOEIC 公式TOEIC Listening & Reading 問題集 2」は明らかに今のTOEICの公開テストよりも簡単で悩む問題もありませんでした。
ここから考えるとできるだけ新しい公式問題集を買ったほうが最新の難易度を反映していると言えます。
TOEICの難易度に近い最新の問題集はこちらを見てください。
https://eigo-koryaku.com/?p=409
1.3 公式問題集の使い勝手
TOEIC公式問題集の見た目はほぼ同じですが、使い勝手は少しずつ進化しています。
変化点は下記です。
・公式問題集3から音源をCD以外でダウンロード可能となった
・公式問題集5からReadingの音源が追加されるようになった
公式問題集2までは付属のCDをCDプレーヤーにかけて勉強する、もしくはCDからmp3に変換してmp3プレーヤーで聞く必要がありました。
公式問題集3からはabceedというサイトからダウンロードして音を聞くことができるようになりました。iPhoneアプリでもabceedはあるのでそちらでもダウンロード可能です。
Readingの音声ですが、Listeningセクションの音声よりもスピードが明らかに遅いので参考程度で良いです。
1.4 公式問題集のおすすめ 結論
結論としてTOEIC公式問題集7, 8がオススメです。
TOEIC公式問題集6までに出てくる癖の強いイギリス人女性Aに慣れる必要はありません。
TOEIC公開テストではなく、団体テストであるIPテストを受けられるのであればイギリス人女性Aが出てくる可能性があるのでTOEIC公式問題集の7. 8でなくても良いですが、音声ダウンロードができることを考えるとTOEIC 公式問題集の3以降がおすすめです。
2. 公式問題集を使った勉強法
2.1 3回チャレンジ法
TOEICの参考書を何冊も出されている前田ヒロさんが推奨されている勉強法です。
- 1回目はTOEICの模試を2時間の時間通りに解く
- 2回目は1回目の答え合わせをしないまま、同じ模試を時間制限なしで解く
- 3回目は十分な復習の上をした上で2時間の時間通りに解く。このときは100%解けることを目指す
3回チャレンジ法を含むTOEIC全体の勉強法はこちらを参考にしてください。
2.2 ナレーターの音を最大限に活かすために
公式問題集を買ったならナレーターの声を最大限に有効活用すべきです。
1単語1単語が自分にとって理解できる音なのかを確認して聞き取れなかった音は聞き取れるようになるために何度も聞き直す必要があります。なんとなく回答してなんとなく正解だったということは禁止です。
公式問題集を使って僕が勉強した例ですが、意味が聞けなかったところは緑の下線で、音が聞けなかったところは赤の下線で問題集に線を引いておきます。
復習の際にはこの線が引かれているところを中心に聞いていきます。
リスニングの音の聞き方などはこちらを参考にしてください。
2.3 TOEIC公開テストの時間配分
何度かTOEICを受けている方はご存知だと思いますが、TOEICは時間配分が重要です。
Readingに関してわからない問題は適当に回答してでも、100問75分に収める必要があります。
新しいTOEIC 公式問題集をテスト1週間前に解いて時間配分を確認することをオススメします。
テスト当日や1日前の過ごし方などはこちらを参考にしてください。
2.4 公式問題集の解答用紙の切り取り
これは勉強方法というよりは補足情報です。
TOEIC 公式問題集にはマークシートの解答用紙がついていますが、書き込みをするためには切り取りの必要があります。
切り取って勉強するのも良いのですが、TOEICの勉強が終わった後に公式問題集はヤフオクやメルカリで売ることができるので、切り取らないで残しておいたほうがよいです。(高値で売ることができます)
3回チャレンジ法について書きましたが、真剣に勉強するのであれば1枚では足りません。TOEICのマークシートをインターネット上にアップされているかもいるのでそちらを印刷して使ってください。
3. 最後に
TOEICを真剣に勉強しておられる方でTOEIC 公式問題集を買ってない方はおられません。
馴染みのナレーターであればリラックスしてTOEIC公開テストを受けることができますが、知らないナレーターで聞き取りできない場合は焦ることは確実です。
今の公開テストに出るナレーターで勉強することをおすすめします。